NATROM氏の白血病記事

 NATROM氏が白血病についての記事を書いた。
  → http://d.hatena.ne.jp/NATROM/00110830#p1

 もともとは普通の場所に書いてあったらしいのだが、どういうわけか、日付の年を 0011年にして、まったく目立たないところに収納してしまった。
 たぶん、批判されるのを恐れてのことだろう、と推察する。

 ──

 読んでの感想は、こうだ。
 「とても良く書けている。これまでの NATROM 氏の記事の中では最も有益である」
 というものだ。
 NATROM 氏の記事は、ほとんどが他人の悪口ばかりで、読んでいてうんざりするのが普通だ。人の悪口を聞くのが好きな人にはいいだろうが、私はまともな人間なので、人の悪口なんかを聞いてもうんざりするだけだ。
 しかし、上記項目に限っては、まったく悪口がない。建設的な見解だけがある。これはとても有益だ。

 これに類するものとしては、「豚インフルエンザの簡易検査」の有益性をめぐる記事もあった。内容としては、あちらの方が上だろう。
 ただし、あの記事は、
 「感度が低いとしても、特異度が高ければ、陽性だと出た場合に限っては、検査を信頼できる」( → 出典
 と書けば満点だったのだが、根っこの攻撃性が出て、「こいつはトンデモだ!」と悪口を言うことが主目的になってしまった。そのせいで、論旨全体が歪んでしまった。きちんと冷静に学術的に書けば、有益な見解を示せたのに、悪口を言うことが目的となってしまったから、肝心の有益な内容が吹き飛んでしまった。

 今回の記事は、そういう悪口癖がない(他人を攻撃していない)ので、とても有益である。これをこっそり隠す必要は何もない、と言える。

 ──

 ただし、である。穿って言えば、隠す必要はある。というのは、もう一人の NATROM氏が攻撃するかもしれないからだ。
 「学界の公式見解でもない独自意見を主張するやつは、トンデモだ!」 
 というふうに。
 実を言えば、「学界の公式見解でもない独自意見を主張する」というのは、それだからこそ有益なのである。「学界の公式見解である標準的な意見」なんて、ただの当り前のことだから、いちいち公表するにはあたらない。知りたければいくらでも知ることができる情報だ。二番煎じの話など、書く必要はない。
 一方、今回の NATROM氏の話は、彼の独自の見解であり、それだからこそ、有益だ。私としては、高く評価する。
 しかしながら、このような独自の見解に対しては、もう一人の NATROM氏が攻撃するかもしれない。そして、そう思ったからこそ、こっそりと目だないところに置いたのだろう。

 なるほど、今回の見解は、よく見れば、「トンデモだ」と批判される余地がある。「物事の本質を簡潔にとらえる」という方針は、「細かな枝葉を切り捨てる」ということだから、「細かなところを無視しており、トンデモだ!」というふうに、トンデモマニアから攻撃される余地があるのだ。実際、NATROM氏のこれまでの批判は、たいていが、そういうものだった。書き落としたところをことさら見つけて、拡大解釈して、針小棒大に取り上げて、批判する……というものだったからだ。

 しかしながら、私が思うに、もう一人の NATROM氏は、NATROM氏本人を攻撃しないと思う。だから NATROM氏は安心して、これからも、「学界の公式見解でもない独自意見」を公開した方がいいだろう。その方が世の中のために役立つからだ。
 そしてまた、NATROM氏が独自意見を公開しても、それを「トンデモだ!」と批判するような真似をする人は、他にはいないと思う。少なくとも私は、そんなことをするつもりはない。たとえアラを探せても、アラを探して批判する、というようなことをするつもりはない。

 ──

 ついでだが、池田信夫は、次のように述べている。
 「間違っていたときはホラ吹きと呼ぶ。 RT @masason: 大風呂敷、万畳敷きの果てしなき大風呂敷が後の世で正しかった時、人々はその人物をビジョナリーと呼ぶ。」
  → http://twitter.com/#!/ikedanob/status/115342389161365504

 よくもまあ、人の悪口を言うことに、これほど熱中できるものだ。悪口を言えば言うほど、自分がさもしく見えるということに、気づかないようだ。

 私としては、そんなことをするつもりはない。誰かを「トンデモだ!」と批判して喜ぶような趣味は、私にはない。私が興味を持つものは「いかに多くのプラスを生み出すか」ということだけだ。他人のマイナスを数えている暇はない。
 その意味では、冒頭の NATROM氏の記事は、珍しく「プラス」を生み出している記事なので、高く評価したい。(そのマイナス面に目を向けよう、という気持ちはさらさらない。)
 



 【 追記 】
 こっそり、このブログにだけ書いたつもりだったが、NATROM氏の元のブログにリンクが表示されてしまった! びっくり。はてなダイアリー というのは、変な機能が付いているんだな。勝手にトラックバックが付いてしまうようだ。
 どうやったら消せるかもわからないので、放置しておく。しかし、あのトラックバックみたいなのは、私の意図ではない。本項は、こっそり書いているだけだ。
 そこで、あまり見えないように、薄色に変更しておこう。



 【 余談 】
 NATROM氏がその後、本項を読んで、コメントを書いている。
 ざっと見たが、例によってひどい悪口のオンパレードだ。学術的な批判ではなくて、ただの誹謗中傷である。
 残念なことだ。せっかくの良記事なのに、最後に悪口を並べることで、筆者がひどく下品な人間に見える。これでは記事全体の信頼度が大幅に下がってしまうだろう。「こういう人間が書いたのか」と思われるだけだ。
 せっかくの良記事なのに、自分で自分をおとしめるようなことをしているのが、かえすがえすも残念だ。

 ついでだが、私が本項で述べた「独自見解」「独自意見」というのは「独自学説」という意味ではなく、「独自のポイント整理」ぐらいの意味である。いちいち言うまでもないことなのだが。